004:3枚馬龍将棋 利きのバリア

3枚馬龍将棋 4つの方針

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「寄せる」という感覚をある程度理解したら、駒を1枚減らしてみましょう。
3枚馬龍将棋です。
馬が1枚減った分だけ玉を捕まえるのが難しくなり、より精度の高い攻めが求められます。
そこで「方針」を1つ増やしてみましょう。

・「攻め駒を玉に近づける」
・「全ての駒を使う」
・「玉を端へ追い詰める」
・「龍でバリアを張る」 ←New!

この4つの方針に沿った攻めができれば、詰みまで辿りつけるでしょう。

「バリア」について

「バリア」は正式な将棋用語ではありません。
筆者の造語です。
馬龍将棋攻略のカギとなる概念です。

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1図、赤く塗ったマスには龍が利いています。
玉はこの赤いマスを通り抜けることができません。
入った瞬間に▲同龍と取られて負けだからです。
従って玉が動くことのできる範囲は、盤面左上の赤マスで囲われた「15マス」のみとなります。
このように、駒の利きが玉の行動範囲を制限する性質を「バリア」と呼ぶことにします。

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2図、玉と龍を1マスずつ左上にずらしました。
やはり玉が「バリア」に閉じ込められているので、動ける範囲は「8マス」だけです。

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3図、同様に1マスずつずらしました。
玉の動ける範囲は「3マス」まで減っています。
ここまで追い詰めれば玉を詰ますことは難しくありません。
もう1枚攻め駒があれば、▲8二馬などと王手をかけるだけで詰みとなります。
このように龍の利きを使って「バリア」を張り、その龍を押し進めていけば、「玉を端へ追い詰める」ことができるのです。

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ちなみに馬の利きはバリアになりません。
4図では△8三玉と、玉が馬の利きを越えて「上の領域」から「左の領域」へと移動することが可能です。
将棋にはいろいろな種類の駒が存在しますが、単独で完全な「バリア」を張れる駒は「龍」だけです。

次回は3枚馬龍将棋の実戦を通して、バリアを活かす寄せ方を解説します。