意外と難しい六枚落ち3
激指相手に六枚落ち。
今回は2局。
手合割:六枚落ち
下手:私
上手:激指<全戦型> 七段+
△4二玉 ▲7六歩 △7二金 ▲2六歩 △2二銀 ▲2五歩
△3一玉 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △2三歩 ▲2八飛
△2一玉 ▲3八銀 △8二銀 ▲2七銀 △8四歩 ▲2六銀
△3二金 ▲2五銀 △8三銀 ▲1六歩 △3一玉 ▲1五歩
△4二玉 ▲1四歩 △同 歩 ▲同 銀 △5二玉 ▲1三銀成
△6二玉 ▲1二成銀 △1一歩(1図)
▲同成銀 △2四歩 ▲1二成銀
△2三銀 ▲1三成銀 △7一玉 ▲2二歩 △3四銀 ▲2一歩成
△4四歩 ▲2二と △4三金 ▲3二と △3五銀 ▲2三成銀
△4五歩 ▲3三と △4六歩 ▲同 歩 △5四金 ▲5八金右
△4六銀 ▲4七歩 △3七銀不成(2図)
▲同 桂 △3六歩(3図)
▲2四飛
△3七歩成 ▲3二成銀 △3五桂 ▲2一飛成 △8二玉 ▲6八玉
△4七桂成 ▲4三と △4六歩(4図)
▲3三角成 △5八成桂 ▲同 金
△4七歩成 ▲5一馬 △5八と ▲同 玉 △4六歩 ▲5二と
△9二玉 ▲6二と △4七歩成 ▲6八玉 △8二金打 ▲7二と
△同 銀 ▲6二馬 △8一金打 ▲7五桂 △3一歩 ▲同 龍
△6五金 ▲6三桂成 △同 銀 ▲同 馬 △7一桂 ▲5三馬
△7六金 ▲6二銀 △7二金寄 ▲7四歩 △6六歩(5図)
▲7八銀
△7四歩 ▲7三歩 △6二金 ▲同 馬 △5九銀 ▲7九玉
△5七と ▲4二龍 △6八と ▲8八玉 △7八と ▲9八玉(6図)
まで114手で下手の勝ち
7局目。
そういえばまだ普通の棒銀を指してなかったなと。
1図では▲2二成銀△同金▲1一香成と指すほうが紛れが少なかったかもしれない。
ここから上手の金銀がスルスルと中段に進出してくる。
下手の成駒を盤の隅に置いてけぼりにしつつ、自分の金銀は中央へと捌く。
上手らしい勝負術である。
上手の本気。
完全に見落としていた。
平手ならこういう手も警戒するのだけど、
これはいけない。
ここで冷静に▲3八歩と受けておけば安全勝ちできただろう。
本譜はと金作りを許したため上手にも勝ち目のある展開に。
清算する前に歩をつないでおく。
上手が攻めを続けるための常套手段であり、平手でも活用できる手筋だ。
まだ下手が不利になったわけではないが、上手玉が8筋、下手玉が6筋という差も手伝ってなかなか大変な局面である。
図の▲7八銀で受かっていると読んで▲7四歩。
最後の踏ん張り所だ。
上手玉は▲7一馬以下の詰めろ。
下手玉には王手がかからない。
△3七銀不成への対応を誤ったため、思いがけず熱戦になってしまった。
手合割:六枚落ち
下手:私
上手:激指<全戦型> 七段+
△3二金 ▲5六歩 △6二玉 ▲5五歩 △4二銀 ▲5八飛
△7二玉 ▲5四歩 △同 歩 ▲同 飛 △6二金 ▲4八玉
△5三銀 ▲5九飛 △2四歩 ▲3八玉 △4四歩 ▲2八玉
△5四歩 ▲3八銀 △4三金 ▲7六歩 △8二銀 ▲6八銀
△3四歩 ▲5七銀 △2五歩 ▲1六歩 △7一銀 ▲5六銀
△3五歩 ▲4六歩 △8二玉 ▲5八金左 △7二金 ▲4七金
△6四歩 ▲6六歩 △6二銀上 ▲9六歩 △1四歩 ▲9五歩
△6三銀 ▲8六歩 △3四金 ▲8五歩 △3三金 ▲9七角
△4三金 ▲7七桂 △6二金 ▲8九飛 △7四歩 ▲8四歩
△同 歩 ▲同 飛 △8三歩 ▲8九飛 △3六歩 ▲同 歩
△7二金 ▲8六角 △8四歩 ▲9八香 △8三玉 ▲9九飛(6図)
△7五歩 ▲同 角 △7四銀 ▲9七角 △4五歩 ▲同 歩
△7三玉 ▲7九角 △6三玉 ▲1三角成 △4二金 ▲9四歩
△同 歩 ▲同 香 △7五歩 ▲6七銀 △7六歩 ▲同 銀
△7五歩 ▲6七銀 △2六歩 ▲同 歩 △8五歩 ▲9二香成
△5二玉 ▲9三飛成 △8三金 ▲9六龍 △8六歩 ▲同 龍
△7三金 ▲8二龍 △6三玉 ▲9三成香 △1五歩 ▲同 歩
△7二金 ▲8一龍 △6二銀 ▲3一馬 △5三銀 ▲8四歩
△6二金 ▲8三歩成 △7六歩 ▲同 銀
まで112手で下手の勝ち
8局目。
解説は省略。
十分な駒組みから完勝した一局。
感想。
感じたのは「駒落ちには駒落ちの大局観がある」ということだ。
例えば2図で、私は△3七銀不成という勝負手を見落としていた。
見落としたのは、この手が「六枚落ちならではの勝負手」であるためだ。
平手における「勝負手」とは「逆転の可能性がある手」を意味するが、△3七銀不成は「もともと不利な局面を多少紛れさせるための手」という感じだ。
「平手基準の勝負手」としては迫力不足で、せいぜい「破れかぶれの手」といったところだろう。
2図よりもっと前の段階で「勝負手がありそう」と警戒することができていれば、もう少し慎重に読みを入れていただろうし、あらかじめ「△3七銀不成▲同桂△3六歩には▲3八歩で大丈夫」と対策を用意することも可能だった。
警戒が甘くなったのは、私が「平手基準の大局観」で「勝負手は無さそう」と感じたためである。
つまり私は「六枚落ち基準の大局観」を身につけていないのだ。
このシリーズはこれからも続けようと思う。