理論 『答』ではなく『考え方』を学ぶ

ひとつ、たとえ話をしよう。 ある日の学校で、教師から数日後に小テストを実施すると予告された。テストは漢字テストと計算テストの2種で10問ずつ、「教科書の○頁~×頁」と出題範囲も通知されている。あなたは生徒であり、この小テストになんとしても合格し…

十枚落ち そそっかしい将棋

十枚落ちの将棋を見ていく。本局の下手は、どちらかと言えば体を動かす遊びの方が好きなんじゃないかと思わせるような、やんちゃな小学3年生。当然のごとく、かなりの早指しである。 手合割:十枚落ち △4二玉 ▲9六歩 △9四歩 ▲9七桂 △8四歩 ▲7六歩△5…

九枚落ち 攻めあぐねる下手

九枚落ちの実戦を見ていく。下手は以前の記事で扱った棋譜と同じ少年である。 手合割:その他上手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1+---------------------------+| ・ ・ ・ ・v玉v金 ・ ・ ・|一| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|二|v歩v歩v歩v歩v歩v…

十枚落ち 下手が負けてしまう理由

十枚落ちにおける下手負けの将棋を見ていく。本局はかなり典型的というか、下手が負ける理由がはっきりしている例だと思う。 手合割:十枚落ち △4二玉 ▲2六歩 △3四歩 ▲2五歩 △3三玉 ▲2六飛△5四歩 ▲8六飛 △5五歩 ▲8三飛成 △3五歩 ▲7六歩△4四玉 ▲…

平手 初心者将棋は面白い

前回の九枚落ちを終えたY君と、粕屋町将棋会の小学生とで手合わせさせてみた。対局相手はH君。小学生達の中でも特に上達の著しい3年生である。私との八枚落ちで勝率1割ぐらいなので実力は大体互角だと思われるが、実戦経験では間違いなくH君の方が豊富…

九枚落ち 棒銀

粕屋町将棋会の見学に来たY君との将棋を見ていく。Y君は小学6年生で、この日まで将棋経験は独学のみだったようだ。まずは実力を測る意味で十枚落ちを行なった。その棋譜が↓である。 手合割:十枚落ち △4二玉 ▲7六歩 △5四歩 ▲6六角 △6四歩 ▲9三角成△…

十枚落ち 攻めの効率を意識する

多くの初心者を教えるうちに『方針』の教え方が定まってきた。最近は次のような形で説明している。 3つの方針 『龍と馬を作る』 『攻め駒を玉に近づける』 『2対1で攻める』 やや高度な方針 『玉を端に追い詰める』 『駒損しない』 『と金を作らせない』 …

九枚落ち 攻めの効率

九枚落ちの実戦を見ていこう。 手合割:その他 上手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1+---------------------------+| ・ ・ ・ ・v玉v金 ・ ・ ・|一| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|二|v歩v歩v歩v歩v歩v歩v歩v歩v歩|三| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|…

九枚落ち 銀の守りに隙あり

攻め駒との交換によって守りの金を突破する場合は、渡した攻め駒は上手の持ち駒となる事に留意する必要がある。つまり渡した駒を新たな守り駒として使われる可能性があるということだ。

九枚落ち 守り駒より安い駒で攻める

前回は、守りの金を無力化する方法として3つの手段が存在することを述べた。 タダ取り 分断 交換 今回は交換について詳しく見ていく。

九枚落ち 金を無力化する

十枚落ちに金が1枚追加されたのが九枚落ち。つまり金を何らかの手段で無力化すれば、あとは十枚落ちで培った技術だけで勝ち切れるということだ。上手の守りの金を無力化するための、攻略手段を考えていこう。

九枚落ち 理想的な展開

十枚落ちのひとつ上の手合は八枚落ちとなるのが普通だ。しかし私は、十枚落ちから直接八枚落ちへ移行したのでは難易度上昇が大きすぎると考えているので、十枚落ちの次は九枚落ちを教えることにしている。九枚落ちは左金残しと右金残しの2種類の配置が考え…

『棋理』とは何か

『棋理』という言葉がある。漢字から意味を解読すれば、 「棋」=「将棋」「理」=「原理・法則」 すなわち「将棋の原理・法則」を意味する熟語だとわかる。とはいえこれだけの説明で理解しろというのは流石に無理があるので、別の物に例えることで説明して…

十枚落ち 大人の初心者

今回はいつもとは違う十枚落ちの指し方を解説する。なにも龍・馬の2枚を使って寄せ切るばかりが十枚落ちではないのである。 勝つための方針 (1)『攻め駒を玉に近づける』(2)『2対1で攻める』(3)『玉を端に追い詰める』 負けないための方針 (4)『歩がぶつ…

十枚落ち 上手の粘り

前回の記事で、入門書『中原の将棋を始める人のために』に載っている棋譜に対して「上手が最善の粘りをしていない」と書いた。解説の誤りを指摘するための論拠として用いながら「最善の粘り」を示さないのは不誠実なので、今回は十枚落ちにおける「上手の粘…

「駒落ち定跡」の説明には注意が必要

今回は少し視点を変えて記事を書いてみたい。 このブログでは、いわゆる「駒落ち定跡」を使わずに、駒落ちを解説することを目標としている。「駒落ち定跡」は、初心者が学びの題材とするぶんには大変有益であるが、教える側が「駒落ち定跡」に頼りきりになる…

十枚落ち 再考

十枚落ちの棋譜を複数見ていくうちに、いろいろと新たな発見があった。文章化し、まとめておく。

十枚落ち検討 3連戦3局目

前前回、前回の続き。十枚落ち3局連続の3局目。 勝つための方針 (1)『攻め駒を玉に近づける』(2)『2対1で攻める』(3)『玉を端に追い詰める』 負けないための方針 (4)『歩がぶつかったら取る』(5)『金銀で守る』 開始日時:2017/05/21 15:01:25手合割:十…

十枚落ち検討 3連戦2局目

前回の続き。十枚落ち3局連続の2局目。 勝つための方針 (1)『攻め駒を玉に近づける』(2)『2対1で攻める』(3)『玉を端に追い詰める』 負けないための方針 (4)『歩がぶつかったら取る』(5)『金銀で守る』 開始日時:2017/05/21 14:55:37手合割:十枚落ち下…

十枚落ち検討 3連戦1局目

今回から3つの記事にわたって、同じ相手と3連戦で行なった指導対局の棋譜を分析する。3局とも十枚落ちである。 勝つための方針 (1)『攻め駒を玉に近づける』(2)『2対1で攻める』(3)『玉を端に追い詰める』 負けないための方針 (4)『歩がぶつかったら取…

十枚落ち 方針を使った棋譜検討

十枚落ちの『方針』に若干の変更を加えた。新版は下記の通りである。 勝つための方針(1)『攻め駒を玉に近づける』(2)『2対1で攻める』(3)『玉を端に追い詰める』 負けないための方針(4)『歩がぶつかったら取る』(5)『金銀で守る』 『歩がぶつかったら取る…

十枚落ち 敗因を考える

十枚落ちを勝つためには『4つの方針』に沿って指せばよいと、前回の記事で説明した。今回は下手負けの実戦譜を『4つの方針』の観点から検討してみる。 手合割:十枚落ち △4二玉 ▲3八飛 △4四歩 ▲3六歩 △5四歩 ▲3五歩△4三玉(1図)▲7八飛 △6四歩 ▲…

十枚落ち 4つの方針

十枚落ちの「勝ち方」を説明するための理論が固まった。カギは『4つの方針』だ。 (1)『攻め駒を玉に近づける』(2)『2対1で攻める』(3)『玉を追う方向を決める』(4)『金銀で守る』 この4つに沿って指し進めれば十枚落ちは勝てる。実戦譜を見ながら解説し…

十枚落ち実戦 得意・不得意の違い

前回は十枚落ちの実戦譜から、下手の弱点がどこにあるのか検討した。見つかった弱点は「体当たりが苦手」というものだったが、はたしてこれは特筆すべきなことなのだろうか。仮に、どんな初心者も多かれ少なかれ「体当たり」が苦手なのだとすれば「体当たり…

十枚落ち実戦 弱点を発見する

駒落ち将棋を指導の一手段として用いるならば、将棋の内容から指導すべき個所を見つけ出さなければならない。十枚落ちの棋譜から、下手の「弱点」をさぐってみよう。 手合割:十枚落ち下手:Y君上手:私△4二玉 ▲7六歩 △5四歩 ▲2六歩 △6四歩 ▲2五歩△3…

六枚落ち実戦 万全の状態から仕掛ける

ずいぶんと久しぶりの更新。更新する気はあるのだが、いざ記事にするとなると文章をまとめるのに苦労していた。今回は粕屋町将棋会でおこなった六枚落ちの棋譜を解説する。 手合割:六枚落ち下手:K君上手:私△3二金 ▲7六歩 △7二金 ▲4八銀 △2二銀 ▲6…

意外と難しい六枚落ち5

解説は省略して5局。序盤の指し手の一部にココセ機能を使っている。

意外と難しい六枚落ち4

コメントを頂いたので、それに回答する意味で六枚落ち練習。 手合割:六枚落ち下手:私上手:激指<全戦型> 七段+△3二金 ▲7六歩 △7二金 ▲2六歩 △5二玉 ▲2五歩△2二銀 ▲1六歩 △7四歩 ▲1五歩 △7三金 ▲1七香△6四歩 ▲1八飛(1図)△6三玉 ▲1四歩 …

意外と難しい六枚落ち3

激指相手に六枚落ち。今回は2局。

意外と難しい六枚落ち2

引き続き、激指を相手に六枚落ち。今回も3局。