005:バリアを活かす指し方
3枚馬龍将棋 実戦
3枚馬龍将棋の実戦を解説します。
- 「攻め駒を玉に近づける」
- 「全ての駒を使う」
- 「玉を端へ追い詰める」
- 「龍でバリアを張る」
この4つの方針に沿って指し進めていきます。
追加項目の「龍でバリアを張る」を意識しながら指しましょう。
手合割:その他
上手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|二
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|三
| ・ ・ ・ ・v玉 ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|七
| ・ 馬 ・ ・ ・ ・ ・ 龍 ・|八
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 龍 ・|九
+---------------------------+
下手の持駒:なし
上手番
△6五玉 ▲2六龍 △6四玉 ▲5六龍 △7五玉 ▲9七馬
△7四玉 ▲5五龍 △6三玉 ▲2三龍 △7四玉 ▲3四龍
△6三玉 ▲7五馬 △7三玉 ▲5四龍上 △8二玉 ▲6三龍
△7一玉 ▲9三馬 △8一玉 ▲6二龍 △9一玉 ▲3一龍
まで24手で下手の勝ち
変化:10手
▲6五龍 △5二玉
龍でバリアを張る
初手からの指し手
△6五玉 ▲2六龍 △6四玉 ▲5六龍(1図)
まずは「攻め駒を玉に近づける」でしたね。
駒を使う順序は自由です。
今回は龍から使っていくことにしました。
龍を玉の近くに陣取らせることで、玉の動ける範囲を盤面左上の19マスに制限しています。
方針その4「龍でバリアを張る」です。
バリアを前進
1図からの指し手
△7五玉 ▲9七馬 △7四玉(2図)
「全ての駒を使う」方針に則って馬を活用します。
▲9七馬の王手に対して上手が△7四玉と逃げて2図です。
ここで玉と龍の位置関係に注目してください。
2図からの指し手
▲5五龍(3図)
ここでは▲5五龍と指すことができます。
玉が7五→7四と1マス後退したので、六段目→五段目へとバリアを前進させることができました。
このように「バリアを張る」→「王手で玉を移動させる」→「バリアを前進させる」という流れを繰り返すことで、玉を端まで追い詰めていきましょう。
脱出に注意
3図からの指し手
△6三玉 ▲2三龍 △7四玉 ▲3四龍 △6三玉 ▲7五馬
△7三玉 ▲5四龍上(4図)
上手の△6三玉に対し▲6五龍と王手をかけるとどうなるでしょう。
これには△5二玉(参考図)とされます。
参考図では上手玉が「バリアの左上」から「バリアの右上」に移動しています。
バリア役の龍自身を動かしたため、玉に脱出されてしまったのです。
やはり複数の駒を使って攻めなくてはなりません。
2九龍・9七馬を玉に近づけながらチャンスを待ちます。
上手が△7三玉と指したところで、▲5四龍上とバリアを前進させることができました。
4図からの指し手
△8二玉 ▲6三龍(5図)
玉の逃げ方によっては、すぐにバリアを前進させられる場合もあります。
前進させられない場合は、ほかの駒を玉に近づけながらチャンスを待ちましょう。
5図からの指し手
△7一玉 ▲9三馬 △8一玉 ▲6二龍 △9一玉 ▲3一龍(6図)
まで下手の勝ち
△8一玉に▲6二龍で玉の動ける範囲は残り2マス。
▲3一龍の王手で詰みとなりました。
1図から6図までを順番に見ると、龍のバリアが玉を押し込んでいる様子がわかると思います。
「バリア」という考え方を持つことで、寄せの進み具合が理解しやすくなるでしょう。