008:2枚馬龍将棋の実戦

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2枚馬龍将棋の実戦を見ていきます。

  • 「攻め駒を玉に近づける」
  • 「全ての駒を使う」
  • 「玉を端へ追い詰める」
  • 「龍でバリアを張る」
  • 「体当たりで押し込む」

5つの方針を守って指し進めましょう。

手合割:その他 
上手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|二
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|三
| ・ ・ ・ ・v玉 ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|七
| ・ 馬 ・ ・ ・ ・ ・ 龍 ・|八
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|九
+---------------------------+
下手の持駒:なし
上手番

△6五玉 ▲2六龍 △5四玉 ▲4六龍 △6五玉 ▲6六馬
△6四玉 ▲4五龍 △5三玉 ▲6五馬 △6三玉 ▲5四龍
△7三玉 ▲7四馬 △8二玉 ▲6三龍 △7一玉 ▲7三馬
△8一玉 ▲7二龍
まで20手で下手の勝ち

変化:10手
▲4四馬 △4二玉 ▲4三馬 △3一玉 ▲3三馬 △2一玉
▲4二龍
まで16手で下手の勝ち

変化:14手
▲3四龍 △4一玉 ▲3二龍 △5一玉 ▲5二馬
まで18手で下手の勝ち

初手からの指し手
△6五玉 ▲2六龍 △5四玉 ▲4六龍 △6五玉(1図)

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まずは龍でバリアを張りました。
玉は龍から見て左上の領域にいます。
ここから上手玉を盤面左上の隅へ追い込むことを目標として攻めていきましょう。
次の手を考えてみてください。

1図からの指し手
▲6六馬(2図)

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6六のマス目には龍と馬の両方が利いています。
よってこのマスに馬を動かせば「体当たり」となります。
1図では▲5五馬という体当たりもあり、これも正解です。

2図からの指し手
△6四玉 ▲4五龍 △5三玉(3図)

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体当たりに押され、玉は1段後退することを余儀なくされました。
すかさず▲4五龍とします。
これでバリアを前進させることができました。
このように「体当たり」→「バリアを前進」とする手順を繰り返すことで、玉を地道に追い詰めていきます。

3図からの指し手
▲6五馬(4図)

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次の体当たりを狙って馬を近づけます。
3図では▲4四馬(参考1図)とすれば、すぐに体当たりをかけることもできました。

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しかしこの体当たりは、後の手順まで読めていなければ悪手になる可能性のある手です。
参考1図から△4二玉▲4三馬△3一玉と進んで参考2図。

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玉はバリアによって龍の左上に閉じ込められていたはずなのに、いつの間にか右上に移動しています。
参考1図を見てください。
実は▲4四馬とした瞬間は、縦方向のバリアが途切れています。
馬が龍の利きを遮ってしまったため、玉はこの隙にバリアを脱出できたのです。
もちろん参考2図からでも、▲3三馬△2一玉▲4二龍のように玉を右上に追いなおしたり、▲3四龍△4一玉▲3二龍△5一玉▲5二馬のように即詰みに討ち取ったりできるのならば問題はありません。
しかし「左上に追う」という目標を捨てて頭を切り替える必要があるため、実戦ではなかなか難しいと思います。
慣れないうちは、多少ゆっくりに見えても玉を確実に追い詰めていく▲6五馬のような手を選ぶほうが、勝ちやすいでしょう。

4図からの指し手
△6三玉 ▲5四龍(5図)

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龍の体当たりです。
龍自身が王手をかける場合は、玉をバリアの外側へ逃がさないように気をつけましょう。
斜め4マスの利きを使った体当たりなら、玉を逃がす心配はありません。

5図からの指し手
△7三玉 ▲7四馬 △8二玉 ▲6三龍 △7一玉 ▲7三馬
△8一玉 ▲7二龍(6図)
まで下手の勝ち

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あとは同じ要領です。
玉を端まで追い詰めたうえで体当たりをかければ、自然と詰みになります。

「体当たり」は単純そうに見えて、けっこう難しい技術です。
しっかり練習して、使いこなせるようになってください。