意外と難しい六枚落ち4
コメントを頂いたので、それに回答する意味で六枚落ち練習。
手合割:六枚落ち
下手:私
上手:激指<全戦型> 七段+
△3二金 ▲7六歩 △7二金 ▲2六歩 △5二玉 ▲2五歩
△2二銀 ▲1六歩 △7四歩 ▲1五歩 △7三金 ▲1七香
△6四歩 ▲1八飛(1図)
△6三玉 ▲1四歩 △同 歩 ▲同 香
△3四歩 ▲1二香成 △3三銀 ▲1四歩 △4四歩 ▲1三歩成(2図)
△6二銀 ▲1四と △4二銀 ▲2八飛 △4三金 ▲2四歩
△同 歩 ▲同 と △5四歩 ▲2二成香 △5三銀右 ▲3二成香
△1七歩(3図)
▲3八銀 △7二金 ▲2七銀 △3五歩 ▲2六銀
△2七歩(4図)
▲3八飛 △5五歩 ▲同 角 △5四金 ▲8八角
△6五金 ▲1七銀 △7六金 ▲7八金 △6五歩 ▲7七歩(5図)
△7五金 ▲3四と △6六歩 ▲6八銀 △6七歩成 ▲同 銀
△6六歩 ▲5八銀 △5一銀 ▲3五と △7三玉 ▲1六銀
△6二銀上 ▲2七銀 △5六歩 ▲同 歩 △6五金 ▲5七銀
△6四銀 ▲5八金 △5六金(6図)
▲同 銀 △5五歩 ▲4四と
△5六歩 ▲6八金打(7図)
△6三銀 ▲4五と △8二玉 ▲4六と
△6五銀 ▲5五と △5四銀上 ▲同 と △同 銀 ▲1八飛
△5七銀 ▲1一飛成(8図)
△5八銀成 ▲同 玉 △4六歩 ▲同 歩
△5五銀 ▲4一龍 △5七金(9図)
▲同 金 △同歩成 ▲同 玉
△5六金 ▲6八玉 △6七歩成 ▲同 金 △同 金 ▲同 玉
△8一金 ▲7六歩(10図)
△4六銀 ▲同 龍 △9二玉 ▲4二龍
まで114手で下手の勝ち
コメントにあった定跡はこの形。
あえて2筋を交換しないのが定跡の教える工夫で、上手に△2三銀などと変化する余地を与えない。
突破までは成功。
この後の▲2四同とでは▲2四同飛として飛車を成ることを優先すべきだったか。
さて怪しい手が飛んできたぞ。
▲1七同桂なら△1六歩▲2五桂△1七歩成とと金を作る狙いだ。
銀で取りに行けば大丈夫だと思ったらこれだよ。
▲同飛と取れば△1八歩成がある。
金を追い払いたくて打ってしまったが、角が使いにくくなり良くなかった。
かと言ってこういう金を放置していると、△6六歩▲同歩△6五歩のような紛れの原因を作られるから厄介だ。
駒落ちではつい軽視しがちになるが、金駒が敵陣四段目で威張っている形は攻めの拠点として大変価値の高い状態であるということを忘れてはならない。
一通り受け切ったかと思ったのも束の間。
金捨ての鬼手から金銀交換に持ち込まれる。
すでに下手が勝つとは断言できないところまで紛れている。
5六・6六の垂れ歩2枚が迫っている下手陣に比べて、上手玉にはまだまったく攻めが届いていない。
大駒を成り込んでいない状態で受けに回っていると、いつの間にか攻めの速度が逆転した状態になりやすい。
△6七銀▲同金右△同歩成▲同金△7八金があるので、なりふり構わず金を投入。
こういう手順が見えると▲7七歩を後悔する。
(※2016/11/02追記 △7八金は▲同飛と取って受かっている。飛車の利きを見落としていた。)
遅ればせながら飛車を成る。
ただここでは▲1三飛成とする方が、玉を上から押さえる寄せ形を作りやすかった。
上手最後の猛攻。
やっとしのぎ切った。
角筋を開きなおして、ようやく安全を確信できる形に。
感想。
敵陣を突破するまでは良かったが、その後なんとなくで受けに回り続けるという、典型的な紛れパターンだった。
上手の攻めに対して面倒を見すぎなのだろうか。
もう少し「距離感」を把握して、適当に手抜いて上手玉へ迫ることを優先すべき局面があるのかもしれない。
一つ注目したいのは3図における金銀の配置。
上手の金銀が三段目まで上がっているのに対して、下手の金銀はまだ初形のままである。
この差が5筋~7筋における玉頭戦で押し込まれる原因だったように思える。
同時に平手ではあまり目にしない局面状況であるために「距離感」の把握も難しくなるのだと思う。