十枚落ち

十枚落ち・九枚落ち 上達過程その4

前回、初の九枚落ち局に負けてから2週間後。2局連続で負けると気持ちのうえでもつらいので、一度準備運動のつもりで十枚落ちを行なうことにした。これが6戦目となる。 開始日時:2018/01/21 15:41:37終了日時:2018/01/21 15:47:45手合割:十枚落ち △4二…

上達過程 その2.1 試行錯誤編

のんびり書き進めていくつもりだったこのシリーズだが、予定を変更して、先に棋譜だけはすべて出しておくことにした。M・H君の上達が私の予想を遥かに上回る勢いだったためである。 ちゃんとした解説付きの記事も、追々書いていくので、気長に待っていてほ…

十枚落ち 上達過程その2

引き続き M・H君 vs 私 の実戦を見ていこう。3戦目は、前回の記事で紹介した2戦目の直後に指した将棋。 開始日時:2017/12/03 15:47:45終了日時:2017/12/03 16:02:10手合割:十枚落ち △4二玉 ▲2六歩 △3四歩 ▲2五歩 △3三玉 ▲7六歩△4四歩 ▲2四歩 …

十枚落ち 上達過程その1

今回からしばらく連続して M・H君 vs 私 の棋譜を取り上げていく。M・H君は前々回の十枚落ちで下手を持っていた子である。彼が辿っている上達の道のりはかなり模範的と言えるもので、彼の上達過程は将棋を学ぶ人・指導する人、そのどちらにとっても貴重…

十枚落ち 矢倉戦法の注意点

駒落ちには『二歩突っ切り』『銀多伝』のような駒落ち専用の定跡が存在するが、もちろん平手と同じように矢倉や美濃に囲っても構わない。 今回は十枚落ちで矢倉囲いを使う場合に注意するべきことを解説する。 手合割:十枚落ち △4二玉 ▲7六歩 △5四歩 ▲7…

十枚落ち そそっかしい将棋

十枚落ちの将棋を見ていく。本局の下手は、どちらかと言えば体を動かす遊びの方が好きなんじゃないかと思わせるような、やんちゃな小学3年生。当然のごとく、かなりの早指しである。 手合割:十枚落ち △4二玉 ▲9六歩 △9四歩 ▲9七桂 △8四歩 ▲7六歩△5…

十枚落ち 下手が負けてしまう理由

十枚落ちにおける下手負けの将棋を見ていく。本局はかなり典型的というか、下手が負ける理由がはっきりしている例だと思う。 手合割:十枚落ち △4二玉 ▲2六歩 △3四歩 ▲2五歩 △3三玉 ▲2六飛△5四歩 ▲8六飛 △5五歩 ▲8三飛成 △3五歩 ▲7六歩△4四玉 ▲…

九枚落ち 棒銀

粕屋町将棋会の見学に来たY君との将棋を見ていく。Y君は小学6年生で、この日まで将棋経験は独学のみだったようだ。まずは実力を測る意味で十枚落ちを行なった。その棋譜が↓である。 手合割:十枚落ち △4二玉 ▲7六歩 △5四歩 ▲6六角 △6四歩 ▲9三角成△…

十枚落ち 攻めの効率を意識する

多くの初心者を教えるうちに『方針』の教え方が定まってきた。最近は次のような形で説明している。 3つの方針 『龍と馬を作る』 『攻め駒を玉に近づける』 『2対1で攻める』 やや高度な方針 『玉を端に追い詰める』 『駒損しない』 『と金を作らせない』 …

十枚落ち 大人の初心者

今回はいつもとは違う十枚落ちの指し方を解説する。なにも龍・馬の2枚を使って寄せ切るばかりが十枚落ちではないのである。 勝つための方針 (1)『攻め駒を玉に近づける』(2)『2対1で攻める』(3)『玉を端に追い詰める』 負けないための方針 (4)『歩がぶつ…

十枚落ち 上手の粘り

前回の記事で、入門書『中原の将棋を始める人のために』に載っている棋譜に対して「上手が最善の粘りをしていない」と書いた。解説の誤りを指摘するための論拠として用いながら「最善の粘り」を示さないのは不誠実なので、今回は十枚落ちにおける「上手の粘…

「駒落ち定跡」の説明には注意が必要

今回は少し視点を変えて記事を書いてみたい。 このブログでは、いわゆる「駒落ち定跡」を使わずに、駒落ちを解説することを目標としている。「駒落ち定跡」は、初心者が学びの題材とするぶんには大変有益であるが、教える側が「駒落ち定跡」に頼りきりになる…

十枚落ち 再考

十枚落ちの棋譜を複数見ていくうちに、いろいろと新たな発見があった。文章化し、まとめておく。