2018-01-01から1年間の記事一覧

六枚落ち 勝ちへの道筋・前編

今月初め頃、twitterで知り合った人と六枚落ちの対局を行なった。その将棋を題材としてどのように記事を書くか、ずっと悩んでいたのだが、結局まとまり切らないまま1か月が過ぎようとしている。しっかりした解説を書きたいという気持ちはあれど、完成しない…

八枚落ち 上から押さえるように

勝った将棋であっても、その勝ちに至るまでの手順がすべて最善手であったとは限らない。むしろ勝ち将棋にも、多くの悪手・疑問手や課題点が含まれていることのほうが、はるかに多いだろう。今回の題材はそんな実戦譜である。 手合割:八枚落ち △3二金 ▲1六…

理論 駒落ち将棋を利用した棋力の絶対評価

棋力(将棋の強さ)は基本的に相対評価である。例を挙げると、将棋道場や奨励会の段・級は「○段・級の相手と対局して○勝○敗だから○段・級」などの規則で定められ、オンライン道場の将棋倶楽部24ではレーティング制によって段・級が設定される、といった具合…

六枚落ち 上達過程その9

通算12局目、六枚落ちとしては2局目となる本局。前局から約2か月、M・H君は目を見張るほどの成長を遂げていた。 開始日時:2018/05/06 16:09:43終了日時:2018/05/06 16:29:42手合割:六枚落ち △3二金 ▲7六歩 △7二金 ▲1六歩 △2二銀 ▲1五歩△4二玉 …

六枚落ち 上達過程その8

ついにやってきた六枚落ちの舞台。M・H君はどの程度太刀打ちできるだろうか。 11局目 開始日時:2018/03/18 16:42:33終了日時:2018/03/18 16:54:55手合割:六枚落ち △4二玉 ▲7六歩 △7二金 ▲7八銀 △6二銀 ▲7七銀△5四歩 ▲6六銀 △5三銀 ▲5六歩 △5…

八枚落ち 上達過程その7

10戦目は初の八枚落ち局となる。金2枚の守備は九枚落ちとは段違いの強固さを誇るが、果たしてM・H君はこれを攻略できるだろうか。 開始日時:2018/03/18 16:37:21終了日時:2018/03/18 16:41:47手合割:八枚落ち △3二金 ▲7六歩 △7二金 ▲7五歩 △6二玉…

九枚落ち 上達過程その6

前回、九枚落ちでの初勝利を収めたM・H君。しかし勝つまでの道のりには、危なっかしいところも少なくなかった。もう一度九枚落ちを行ない、確実に勝つだけの力があるかどうか見極めよう。 9戦目の棋譜はこちら。 終了日時:2018/02/18 14:22:56手合割:そ…

九枚落ち 上達過程その5

前回の敗局から2週間後に行なった、通算8戦目となる九枚落ち。 終了日時:2018/02/04 15:11:31手合割:その他上手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1+---------------------------+| ・ ・ ・ ・v玉v金 ・ ・ ・|一| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|二|…

十枚落ち・九枚落ち 上達過程その4

前回、初の九枚落ち局に負けてから2週間後。2局連続で負けると気持ちのうえでもつらいので、一度準備運動のつもりで十枚落ちを行なうことにした。これが6戦目となる。 開始日時:2018/01/21 15:41:37終了日時:2018/01/21 15:47:45手合割:十枚落ち △4二…

九枚落ち 上達過程その3

M・H君との5戦目となる九枚落ちを解説する。4戦目の指し回しは十枚落ちを卒業するのに十分だった。今回は九枚落ち初戦ということで事前説明をせず、まっさらな状態で挑んでもらった。 終了日時:2018/01/08 16:34:28手合割:その他上手の持駒:なし 9 …

上達過程 その2.2 飛躍編

前回の続き。

上達過程 その2.1 試行錯誤編

のんびり書き進めていくつもりだったこのシリーズだが、予定を変更して、先に棋譜だけはすべて出しておくことにした。M・H君の上達が私の予想を遥かに上回る勢いだったためである。 ちゃんとした解説付きの記事も、追々書いていくので、気長に待っていてほ…

十枚落ち 上達過程その2

引き続き M・H君 vs 私 の実戦を見ていこう。3戦目は、前回の記事で紹介した2戦目の直後に指した将棋。 開始日時:2017/12/03 15:47:45終了日時:2017/12/03 16:02:10手合割:十枚落ち △4二玉 ▲2六歩 △3四歩 ▲2五歩 △3三玉 ▲7六歩△4四歩 ▲2四歩 …

十枚落ち 上達過程その1

今回からしばらく連続して M・H君 vs 私 の棋譜を取り上げていく。M・H君は前々回の十枚落ちで下手を持っていた子である。彼が辿っている上達の道のりはかなり模範的と言えるもので、彼の上達過程は将棋を学ぶ人・指導する人、そのどちらにとっても貴重…

『解釈』 思考の基本構造

思考は目に見えない。他人の思考は言うまでもなく、自分自身の思考についてすら、自分で自分が何を考えているのかよく分からなくなることは珍しくない。将棋は思考を戦わせるゲームなので、思考を理解することは、すなわち将棋を理解することに繋がる。 人間…

十枚落ち 矢倉戦法の注意点

駒落ちには『二歩突っ切り』『銀多伝』のような駒落ち専用の定跡が存在するが、もちろん平手と同じように矢倉や美濃に囲っても構わない。 今回は十枚落ちで矢倉囲いを使う場合に注意するべきことを解説する。 手合割:十枚落ち △4二玉 ▲7六歩 △5四歩 ▲7…

九枚落ち 中央突破に対抗する

上手が下手陣の中央突破を狙ってきた場合の、下手の対抗策を見ていく。題材は、前回の将棋から2週間後に行なったもの。対局者も同じである。 手合割:その他上手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1+---------------------------+| ・ ・ ・ ・v玉v金 …

九枚落ち 上手の中央突破戦術

手合割:十枚落ち △4二玉 ▲2六歩 △3四歩 ▲7六歩 △5四歩 ▲1一角成△5三玉 ▲2五歩 △4四歩 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛△5五歩 ▲2三飛成 △5四玉 ▲2一馬 △6四玉 ▲7七桂△7四歩 ▲3一馬 △5四玉 ▲5三龍 △4五玉 ▲1三馬△8四歩 ▲4六歩(A図)まで26手…