六枚落ち理論 目次案

思想編

戦術

  • 「接近戦」金銀の戦闘力の高さ
  • 攻めの力を鍛える
  • 「手厚い攻め」
  • 「鋭い攻め」
  • 六枚落ちでは鋭さは限定的、手厚さ重視

戦略

  • 長期戦
  • 2つの囲い「本陣」と「厚み」
  • 両方を崩す・順序は任意
  • 本陣から崩す 超急戦
  • 本陣から崩す 急戦
  • 厚みから崩す 持久戦

技術編

鋭さ

  • 「鋭さ」枚数以外による攻めの技術
  • 金銀の利きの数を数える
  • 2つ以上の狙い
  • 方向転換
  • 詰め将棋の駒効率

手厚さ

  • 「手厚さ」枚数による攻めの技術
  • 枚数を増やす
  • 安い駒からぶつける
  • 例外 端棒銀

増援

  • 垂れ歩
  • 増援
  • 進路確保
  • 増援が間に合う状況

厚み

  • 厚みを正面から押し返す
  • 厚みに対抗する(予防)
  • 鏡映し(飛び駒が無いことによる)
  • 鏡映しが崩れる例(持ち駒を与えることによる)

寄せ

  • 玉は上から押さえるように
  • 上部開拓阻止

実戦編

急戦

  • 雀刺し(超急戦)
  • (急戦)
  • 棒銀(超急戦)
  • (急戦)
  • 9筋攻め(超急戦)
  • (急戦)

持久戦

  • 棒銀~雁木(持久戦)
  • 雁木(持久戦)
  • 矢倉棒銀(持久戦)
  • 矢倉4筋押し返し(持久戦)
  • 中飛車(持久戦)
  • 四間飛車(持久戦)
  • 鏡指し(持久戦)

六枚落ち理論 草案

十枚落ち = 最初から寄せ
八枚落ち = 金の守りをはがしてから寄せ
六枚落ち = 金銀の守りを「2回」突破してから寄せ


六枚落ちの上手陣には、囲いが「2つ」存在する。
・「本陣」
・「厚み」
(「本陣」「厚み」は、筆者による便宜上の命名である)

「本陣」= 下手の飛車角の侵入を阻止する役割の金銀。
「厚み」= 本陣とは離れた位置取りで、中段まで進出して下手陣を攻める・牽制する役割の金銀。

上手玉は「本陣」「厚み」のどちらかに近づいて、これを守備駒(=囲い)とする。
片方の囲いが突破されると、残ったほうの囲いに逃げ込んで2回目の粘りを始める。
よって下手が六枚落ちを勝利するためには、2つの囲いを両方突破することが求められる。

「本陣」「厚み」は金銀2枚ずつの配分で構成される場合が多い。
ただし3-1の配分や、「本陣」と「厚み」が近めの配置で4枚くっついているように見える場合も珍しくない。

 

「本陣」「厚み」は、どちらから先に攻略してもよい。

・「本陣」から攻略
 →(A)「厚み」を築かれる前に攻め切る(超急戦)
 →(B)「本陣」を突破した後に「厚み」を攻略する(急戦)
・「厚み」から攻略
 →(C)「厚み」を押し返した後に「本陣」を攻略する(持久戦)

伝統的な駒落ち定跡は(A)の考え方で作られているため、「厚み」との戦い方(=接近戦の技術)を学びづらいことが難点だった。
このブログでは(B)(C)の考え方を推奨する。

 

十枚落ち = 玉との戦い
八枚落ち = 金との戦い
六枚落ち = 金銀との戦い

金銀は2枚以上で連携すると、1枚の時とは比べ物にならないほどの力を発揮する。
八枚落ちでは、下手の大駒の成り込みを防ぐために、上手の金は陣の左右に分散して1枚ずつ配置されることが多かった。
しかし六枚落ちでは守り駒の枚数が足りているので、上手は金銀2枚以上を連携させる余裕がある。
よって連携した金銀による本格的な接近戦を体験するのは、下手にとって六枚落ちがはじめてとなる。

将棋の中で、金銀は接近戦において最強の駒である。
上手の金銀に対抗するには、下手も金銀を使わなければならない。

金銀による接近戦のコツをいくつか挙げておく。

・同数以上で対抗する。
・上、斜め上から押すように戦う。
・できるだけ高い位置で戦う(上手に成駒を作られる変化があると一気に難しくなる)。
・と金など、金銀より安い駒を使えれば楽になる。
・龍・馬の睨み、圧力を活用する(ただし両取りなどの反撃に注意)。
・ゆっくりした指し回しで間に合うように、自陣は安全に保っておく。

接近戦はとても難しい分野(アマチュア有段者レベルではまだ理解の及ばないことだらけ)なので、上記のコツがすべてではないが、六枚落ち卒業に必要な指針としては有用かと思う。

 


六枚落ちの流れ

・駒組み

・第一次攻勢(「本陣」「厚み」のどちらか)

・第二次攻勢(もう片方)

・寄せ

攻めを二段階に分けることで進行状況が把握しやすくなる。
自分が今どの段階にいるのか把握して、次に何をすべきか目標を見失わないようにする。

 


最低限、3手詰が解ける程度の詰将棋力・読みの力が必要。
5手詰が解けるならば十分以上。

八枚落ち 方針 002:3対2で攻める

八枚落ちの『方針』を一つずつ確認していこう。

八枚落ちの方針

  • 『3対2で攻める』
  • 『金より安い駒で攻める』
  • 『玉より先に金を狙う』
  • 『成小駒は斜め上から押さえるように使う』
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八枚落ち 方針 001:概要~前提条件

このブログでは、十枚落ちにおける『3つの方針』を提唱してきた。
初心者が十枚落ちを勝てるようになるために必要な考え方を、最小限の形で示すものである。

  • 『飛車と角を成る』
  • 『攻め駒を玉に近づける』
  • 『2対1で攻める』

これと同じように、八枚落ちにおける指し方の方針も簡潔に表現できないかとずっと考えていた。
ようやく自分なりに納得のいく理論がまとまってきたので、ブログ更新を再開しようと思う。

前提条件

  • 十枚落ちを卒業していること
  • 1手詰めを1分以内に解けること

八枚落ちの方針

  • 『3対2で攻める』
  • 『金より安い駒で攻める』
  • 『玉より先に金を狙う』
  • 『成小駒は斜め上から押さえるように使う』

八枚落ち卒業へ向けての上達指針

  • 詰め将棋力を鍛えあげる。
  • 4つの『方針』の精度を高め、効率良く、素早く寄せ切る。
  • 上手の指し手をよく観察し、臨機応変に対処する。
  • 計画的な駒組みで安全勝ちする。

順に説明する。

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